カントZ506はイタリアの三発水上機。以前紹介したZ501<ガッビアーノ>同様、フランスのブレリオ社から招かれたザパタ技師によって設計された。
機首と両翼に一基ずつ星形エンジンがあり、両翼のエンジンナセル直下には双フロートを備えている。丸みを帯びた尾翼は、どことなくフランスの血を主張しているかのようだ。
カント社の主席パイロット、マリオ・ストッパニの操縦により、同機は1936年か1938年にかけて水上機界の速度、高度、そして航続距離記録を塗り替えている。
まずアラリットリア航空において旅客貨物機として地中海航路で活躍し、次いでイタリア空軍が偵察・爆撃機として採用した。軍用型には<アイローネ>(あおさぎ)の愛称が与えられている。
ポーランドからも受注したが、ドイツが同国に侵攻したため1機しか引き渡されなかった。イタリア海軍が導入したのは、ポーランド向けに生産された機体である。
<アイローネ>は第二次大戦中、洋上偵察や爆撃、雷撃といった本来の目的のみならず、兵員輸送や救助にも活用された。1940年から1942年にかけて、実に231人を救助している。
戦後、生き残った20機が救助型に改造され、実に1959年まで現役にとどまった。
余談ながら、愛知航空機も製作権を獲得している。ただ残念ながら実際に生産されることはなかった。とはいえ、水上機・飛行艇においては実績のある日本が導入を考えたというのだから、やはり実力のある機体だったのだろう。
などと思いながら、今日はTAEBO AMPED 腹筋編。
実力はなんらかの形で評価されるだろう…それが私にとっていいことか悪いことかはよくわからない。
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