ウチは曹洞宗。いわゆる葬式仏教で、さしたる信心はない。
だが母方はキリスト教。それもなぜかロシア正教だ。祖父が入信したらしいが、その経緯は不明だ。なお母方の祖母が亡くなったあと、母の夢にあらわれたときには「あれは貧乏神さんだからやめた」と言っていたという(おいおい…)。
で、母方の叔母は戦後にPXで働いたことからアメリカ兵に見初められて結婚した。その際に、夫と同じモルモン教に入信している。なんせユタ州ソルトレイクだもんなあ。
てなわけであちらのいとこたちは当然ながらみんなモルモン教徒。で、若いうちに海外で布教活動に勤しむってことで幾度か来日していた。
そんな訳で、私はガキのころにモルモンの教典を眺めたりもしていた。いきなり南米の遺跡がグラビアでついていたりしたのも、私の興味をそそった(知っている人は知っているが、モルモンの始まりは『ムー』の特集みたいだ)。UFOやら古代超文明やらが大好きだったので、いわゆる信仰がそれらとオーバーラップしているのにひどく違和感をおぼえた。
五島勉や「UFOと宇宙」を立ち読みして興奮していた私がオウムなどに走らなかったのは、あの時感じた違和感のおかげだったと思う。
今もその違和感は私の中でしこりのように残っており、それは時として無用の衝突や浪費を呼ぶ。その善し悪しはよくわからない。