前作「ゲキレンジャー」はいささか迷走が目立つ作品だった。だがキャラクターの造形には細かい気配りがあったと感じている。
個人的にメレが好みなのはともかくとして(げふんげふん)、ゲキレッドのキャラクターには感心させられた記憶がある。ゲキレッドは野生児で語彙も少なく、自らの感情を他人へ適切に伝えることもできない。だがそれゆえに、自らの行動と身体で、気持ちや考えを伝えようとする。それが物語をドライブさせる原動力となっていた。子供らにメッセージを与え続ける戦隊シリーズにおいて、その手法は実に適していた。
一方、現在放映中の「ゴーオンジャー」の主人公ゴーオンレッドだが、こちらの造形は一見ゲキレッドと似ている。一言で表現すれば、ばかだ。
だが、そのばかの背景がなにも提示されていない。それゆえ物語の原動力となっておらず、なんのメッセージも伝えていない。いやむしろ、子供の成長を妨げようとすらしているように感じる。
それは戦隊シリーズの意義にすら反している(と私は妄想する)。