現在、宇宙警察内はさまざまな種族の宇宙人によって構成されている。
さまざまな星々の住民を保護する立場にある宇宙警察にとって、これは自然な状態と言えよう。
しかし、その中でヒューマノイドが主流を占める組織もある。
その代表が宇宙警察本部特別指定凶悪犯罪対策捜査官、いわゆる特凶である。
特凶の中核となったのはかつての宇宙刑事らであった。
フーマの乱以前、宇宙刑事が活躍していた時代の銀河連邦はヒューマノイドの勢力が圧倒的であり、銀河連邦警察の構成員も大半がヒューマノイドだった。
その流れをくむ特凶は、今日でもヒューマノイドの牙城となっている。
デカスーツの開発にあたり、彼らの発言力は無視できない。そもそもデカスーツはコンバットスーツの廉価版であり、多くのノウハウを特凶周辺のメンバーが独占しているからだ。
このため、今日でもデカスーツはヒューマノイド向けが大半を占めている。
非ヒューマノイドは遺伝子操作により一時的にヒューマノイドに変身し、その状態でデカスーツを装着するのが一般的である。地球署ではデカマスターが良い事例だ。
これには、遺伝子操作による変身技術が極めて容易となったことも影響している。非ヒューマノイド用デカスーツを個別に開発するよりも、彼らをヒューマノイドに変身させる方がはるかに安価なのだ。
とは言え、そのような状況が非ヒューマノイドにとって好ましい訳ではない。
特凶の強力な権限とデカスーツ開発への支配的体制は、非ヒューマノイドらにとっては不愉快な事実となっている。
ファイヤースクワッドの組織にあたっては非ヒューマノイドが大きな役割をしめしているが、これは特凶への対抗意識に強く基づいているものと思われる。
ちなみに地球人はヒューマノイドの中で最も遅れて星間政府に参加しており、ヒューマノイド内ではマイナーな位置づけである。
地球人はその闘争本能の激しさから「野蛮人」と蔑まれることも多い。しかし、そこからくる戦闘力の高さによって一目置かれる存在でもある。