コンベアF-102デルタダガーはその名の通り三角翼の戦闘機。キャノピーは旧ザクよろしく真っ正面にフレームが入っており、今日の常識からすると奇異な印象を受ける。機体はいわゆるコークボトル・ボディとなっており、スマートにして力強い。
実のところデルタダガーは、さまざまな紆余曲折を体験した戦闘機だ。ソ連のジェット爆撃機による核攻撃を阻む全天候要撃ウェポンシステムWS200の一環として開発が始まったものの、その電子管制装置MX-1179プロジェクト(後にヒューズMA-1として結実する)は進捗が遅れたため、その点では暫定策でしかなかった。
また当初は音速突破ができず、急遽エリアルールの採用により(コークボトル・ボディはこのため)どうにかマッハ1.25を達成した。このため多くの治具が無駄となったようだ。
部隊配備後も問題はいくつか生じ、垂直尾翼の大型化や主翼コニカルキャンバー増大を含む改修を実施している。
後継機F-106が誕生すると主力機の座を早々に追われ、空軍州兵にまわされたりトルコやギリシャに供与されたりした。
だが、「失敗作」とは決めつけ辛い。なにしろ、後継機の3倍ほども生産されたのだから。いかに暫定策とはいえ、本当にひどければ1000機も装備されるはずがない。
ことほどに、「失敗」の定義は難しい。「その時そこにあった」というだけでも、意義ある存在と見なされることもある。
という訳で、なかなか痩せない中年が今日も応用プログラム(ビリーバンド装備)。たしかに「望んだ結果」には至っていないが、だからといって「失敗」とは言えないわな。
とはいえ、オレの人生は失敗の連続だとしか考えられないんだけど…。